FIREを目指してせっせとお金を殖やしている時に、子供がアメリカの大学に通いたいと言い出したらあなたはどうしますか?
アメリカの大学進学費用がバカ高いという話は聞いたことがあるのではないでしょうか?
これ、マジです。。。
こちらの記事でも少し触れましたが、今子供がいるもしくはこれから子供が欲しいと考えているカップルがFIREを目指すうえで、まずは教育費特に大学進学費用の確保が最優先となります。
奨学金なりアルバイトなりで全額子供に自己負担させるわよ!という親以外は、大学進学費用を疎かにすると、セミリタイアが大幅に遅れることになりかねません。
なので、株やら不動産やらという資産運用云々の前に、5つの基本的な考え方について解説します。
今回は前編。
この記事を読むとわかること
- アメリカの大学の特徴
- アメリカの大学の費用
- アメリカの大学費用を捻出するための考え方
- アメリカの大学費用の計算方法
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アメリカの大学の特徴
費用の話に行く前に、そもそもアメリカの大学の長所について解説します。
Times Higher education(THE)によると、2020年の世界の大学ランキング上位10傑はこのようになっています。
- 第10位: インペリアル・カレッジ・ロンドン、イギリス (Imperial College London, United Kingdom)
- 第9位: シカゴ大学、アメリカ (University of Chicago, United States)
- 第8位: イェール大学、アメリカ (Yale University, United States)
- 第7位: ハーバード大学、アメリカ (Harvard University, United States)
- 第6位: プリンストン大学、アメリカ (Princeton University, United States)
- 第5位: マサチューセッツ工科大学、アメリカ (Massachusetts Institute of Technology, United States)
- 第4位: スタンフォード大学、アメリカ (Stanford University, United States)
- 第3位: ケンブリッジ大学、イギリス (University of Cambridge, United Kingdom)
- 第2位: カリフォルニア工科大学、アメリカ (California Institute of Technology, United States)
- 第1位: オックスフォード大学、イギリス (University of Oxford, United Kingdom)
なんと、10位中7校がアメリカの大学です!!
このランキングは、学ぶ環境や研究内容、国際的なコネクション等々を総合的に判断したものです。
ちなみに日本最高位は東京大学の世界36位で、アジア1位である中国の清華大学の20位と比べても大きく離されています。
これから世界で活躍する人材となるうえで、アメリカで学ぶという選択肢は最高の自己投資の一つといえるのです。
アメリカの高等教育費概要
高い高いというけれど、実際どれくらいかかるのか?まずはここから検証していきます。
3種の学費
以下のチャートは、過去20年間のアメリカの大学費用(Tuition)の推移を表したものです。
3本の折れ線グラフがありますが、緑は私立(Private)、青は州外公立(Out-of-state)、赤は州内公立(In state)を表しています。
Out-of state/In stateという概念は日本人の我々にはなじみがないかもしれませんので簡単に捕捉します。
アメリカでは、州によって納める税金額(State Tax)が異なりますが、州立大学の運営は主にこの税金から成り立っています。
つまり、自州に住んでいてState Taxを納めている学生(In state)の学費は安く、州外の学生(Out of state)の学費は高く、というようなメリハリをつけているのです。
これが、在米外国人である我々がアメリカで教育を受ける大きなメリットの一つです。
つまり、日本からの留学となれば問答無用でOut of stateとなりますが、もし州内に居住中であれば、In state費用で進学することが可能です。(この記事でも簡単に触れていますのでどうぞ。)。
さてこのチャートによると、2020年の私立の年間学費は平均4.1万ドル、州外公立は2.6万、州内は1.1万となっています。
日本の国公立大学の平均費用が50万円(≒0.5万ドル)と考えると、同じ公立でさえ最低でも倍の費用がかかっているということですね。
しかもこれ、1年間の学費だけ。これに加え、寮費や教科書代、生活費が乗ってくるため、実際には3~7万ドル/年はかかると考えておいたほうがいいでしょう・・・
高いインフレ率
さらに、見過ごしていけないのはインフレ率。2000年以降を見ても、約6%/年の上昇がみられます。
つまり、お子さんが大学に進学する10年後、20年後には今以上に値上がりしていると考えておいたほうがよさそうです。
ちなみに、アメリカでは奨学金で進学することも珍しくなく(むしろ、自分のお金で学んでいるという意識が常にある)、むしろ、全額在学中に払いきっている学生のほうが少数派です。
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子供の大学費用の計算方法
ここまでで、アメリカで学ぶメリット(将来性)とデメリット(学費)を簡単に解説しました。
これらを総合的に判断し、自分の子供をアメリカの大学へ進学させるのも一つの選択肢として残しておきたいと考えている方(→私もこれ)は、まずは目標額とゴール時期について考えてみましょう。
私の場合を例にとってみます。
第一子分の学費
- 州外公立の学費までは父ちゃん頑張ります。
- 州内公立に行ってくれたらラッキー、私立なら自分で頑張って。
- その他寮費や生活費も自分で頑張って。
- 2021年時点での4年間学費許容額:8万ドル
- 2021年時点で3歳の子供の進学予定時期:15年後
- 年間インフレ率6%を考慮した15年後の年間の学費:19.1万ドル
つまり、今から15年間で19万ドル貯めればいいわけです。
第二子分の学費
- 州外公立の学費までは父ちゃん頑張ります。
- 州内公立に行ってくれたらラッキー、私立なら自分で頑張って。
- その他寮費や生活費も自分で頑張って。
- 2021年時点での4年間学費許容額:8万ドル
- 2021年時点で0歳の子供の進学予定時期:18年後
- 年間インフレ率6%を考慮した18年後の年間の学費:22.8万ドル
2人目の子供分は、18年後に22万ドル必要とのこと。
合計は?
単純計算ですが、今から18年以内に約40万ドルの資金が必要になるのです。しかもこれ学費だけ。
私の場合、自分がFIREする目標額に加え、この額が必要になるのです。
コロナの影響でオンライン授業がメインとなり学費を下げている学校もあるので、さすがにここまでコンスタントにインフレが起きる可能性は低いと思いますが、計算上はこれくらい必要だと把握していると心に余裕(?)ができますね。
皆さんも、自分の場合に当てはめて考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ:FIRE/セミリタイアと子供の進学の両立は可能なのか?
今回の記事では、アメリカの大学に進学するメリット(将来性)とデメリット(費用と高インフレ率)及び、将来いくら必要になるのかの考え方について解説しました。
子供の学費を考えずに、アメリカでFIREすることがいかに恐ろしいことであるかが分かったかと思います。
しかし逆に言えば、きちんと対策を立てていればFIRE/セミリタイアと子供の進学の両立は十分可能だと考えられます。
次回の記事では、どのようにして必要額を殖やしていくのか、具体的な方法について解説していきます。
それでは、Have a nice day~