どうもくろますおです。
アメリカでセミリタイアを目指す親にとって、子供の教育費、とりわけアメリカの大学進学費用を事前に検討しておくことは非常に大切なポイントです。
前回の記事では、1)アメリカの大学の魅力、2)アメリカの大学の学費、3)アメリカの大学費用の計算方法、について解説しました。
後編の今回は、実際にどのように学費を捻出していくのかという方法について解説していきます。
この記事を読むとわかること
- 4) 月々いくら積み立てていけばよいのか
- 5) 529を利用した大学費用の捻出方法
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月々いくら積み立てればよいのか?
前回の記事で算出した以下の数値を使って実際の積立額に落とし込んでいきましょう。
- 第一子分学費:15年後に19万ドル必要
適切な積立額を算出するには、1)月々出せる積立額はいくらか、2)どれくらいのリターンを狙うか、という二つの側面からのアプローチを考えます。
月々出せる積立額はいくらか
300ドル/月を学費として積み立てていくと仮定します。
このアプローチで大切なのは、目標額に到達するには、どれくらいのリターンを狙って投資すればよいのかという点です。
こちらが計算結果。
この場合、年率15%のリターンを目指して資産運用をしていくという結果となりました。
マネーリテラシーがない私にはこれは結構厳しい。。。
どれくらいのリターンを狙うか
続いては、リターンを元にして、毎月いくら積み立てたらよいかを算出するアプローチです。
リターンを6%と仮定して算出してみましょう。
資産の結果、毎月662ドルの積み立てが必要ということが分かりました。
これくらいなら余剰資金が潤沢にある社畜駐在員にとっては、捻出できる額ではないでしょうか?
さて、毎月の積立額が決まったところで、いよいよその資金をどこで運用していくのかという点について解説していきます。
529プランを利用した子供の大学資金の捻出
529プランとは、課税後の資金を積み立てて運用し、教育資金として引き出す場合、運用益に課税されないプランです。いわゆる非課税口座(Non taxed account)の一種ですね。
所得税とは?
課税・非課税を理解するために、簡単に所得税(Income tax)に関して簡単に解説します。
アメリカでは通常、株式等で出た運用益に対しては所得税が課せられます。
この所得税は累進課税であり、いわば金持ちからはたくさん税金を取ってしまおうというものなわけです(バイデン政権に代わるとこの辺りの政策も顕著になりそう)。
こちらは2020年の累進課税表です。
納税(Tax return)の分類によって、ベースとなる金額は異なりますが、家族持ちの駐在員の場合、通常夫婦合算申告でTax returnを提出していると思います。
なので、今回は真ん中の欄をベースに見ていきましょう。
駐在員の場合、住居、社用車、保険、駐在手当等々のほぼすべてが所得扱いとなりますので、額面ベースでは20万~40万ドルくらいの収入と仮定。
この表で確認すると、所得税率は24~32%となっています。
529のメリット
所得税率は、株式等の運用益にも適用されます。
通常の課税口座で仮に1万ドル/年の運用益があった場合、約25%は税金として取られてしまうということです。
しかし、529はこの運用益に対する課税が一切かからないという、なんとも美味しい制度なのです!!
先ほど使った計算式を改めて見ると、19万ドルを貯めるために積み立てた元本は約12万ドルに対し、運用益は7万ドルとなっています。
この7万ドルに課税されずに丸々、教育費として利用できるというわけです!
これは使わない手はないでしょう!
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まとめ:FIRE/セミリタイアと子供の進学の両立は可能なのか?
今回の記事では、月々の積み立て金額の算出の仕方(目標額、目標時期、想定リターンから導き出す)と、529プランを用いた教育資金の捻出方法について解説しました。
前回の記事と今回の記事を合わせて読むことで、アメリカでの教育資金捻出の基本的な考え方がご理解いただけたのではないでしょうか。
次回は529プランの詳細について、そして今後はオススメの529プランの選び方について、記事にすることを考えています。
子供がいるからセミリタイアができないと決めつけてしまうのではなく、子供へ教育という名の贈り物をしつつ、自らも自由を目指す、そんな生き方を目指している方の参考になればうれしいです。