どうもくろますお(@masuo_black)です。
当シリーズでは、永遠の課題である、賃貸vs持ち家論争について、実際にアメリカに居住している筆者の目線で書いています。
このシリーズを読み終わるころには、アメリカでの住居費に関する理解が深まり、実行することで、生活に金銭的な余裕が生まれると思います。
前回の記事では、
- 住居費が家計に占める割合が最も大きい。→これを抑えれば家計が楽になる。
- 一般的に、住居費は額面収入の30%以内の抑えるべし。
という話をしました。
詳しくはこちらからどうぞ。
アメリカで生活する場合、賃貸と持ち家、結局どっちがいいのかな?
こんな疑問を持っている方は多いですよね。
ということで、今回は2つ目のトピック、『賃貸vs持ち家 inアメリカ』について解説していきます。
- 住居費をいかに安くするかが家計管理の肝?
- 賃貸vs持ち家 inアメリカ
- 賃貸のメリット・デメリット
- 持ち家のメリット・デメリット
- 第3の選択肢ハウスハックとは?
- ハウスハックのメリット・デメリット
この記事を読むとわかること。
- Price to Rent Racioとは
- Rent vs Own 計算機の使い方
ちなみに、筆者は現在は賃貸暮らしですが、駐在手当の一部として、家賃の全額補助という福利厚生が付いているので、住居費は0ドル。
その分貯まった種銭を元手に、現在不動産物件の購入を検討しています。
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賃貸vs持ち家論争inアメリカ

賃貸と持ち家、結局どちらがいいんですか?
結論は、場所によって、正解は異なる。ということになります。
例えば、比較的物価が高いNYやサンフランシスコなどの沿岸部沿いと、中西部などの内陸沿いでは当然生活コストが異なります。
例えば、毎月のローン支払い額が1500$だとします。
そして、そのエリアの平均賃料が1800$だった場合、家(資産!!!)を購入して毎月のローンを払った方が得ということになります。
そこで、今回は2つの考え方を紹介します。
- Price to Rent Racioを使ってどちらが得かを計る
- Rent vs Buy計算機を使ってどちらが得かを計る
Price to Rent Racioとは?
Price to Rent Racioとは、特定の場所の年間家賃に対する住宅価格の比率です。
この比率は、賃貸するのが安いのか、不動産を所有するのが安いのか、を見積もるためのベンチマークとして使用されます。
Price to Rent Racioの計算方法
これが計算方法となります。
Price-to-Rent Ratio=物件価格÷推定年間家賃
この数字が小さいほど、「買うのが得」となり、数字が大きいほど「借りる方が得」となります。
例えば、サンフランシスコのこの物件を例にして計算してみましょう。
- List価格:800,000$
- 想定家賃:3,500$/mo
この場合、Price to Rent Racioは以下のように計算できますね。
800,000$ ÷ 3,500$x12mo ≒ 19
この『19』がサンフランシスコのPrice to Rent Racioと設定します。
一方で、自動車に関する日系企業も多く点在するミシガン州デトロイトのこの物件はどうでしょうか。
- List価格:55,000$
- 想定家賃:800$/mo
この場合、Price to Rent Racioは以下。
55,000$ ÷ 800$x12mo ≒ 5.7
サンフランシスコの物件と比べて、かなり低い数字となりました。
Price to Rent Racioをどう読むか
Price to Rent Racioは、『その物件を購入した場合の、モトが取れる年数』とざっくり置き換えるとわかりやすくなります。
つまり、上の例を使うと以下のようになります。
- サンフランシスコの場合、19年住んだらようやくモトが取れる。
- デトロイトの場合、5.7年住むだけでモトが取れる。
一般的に、この数字が10を下回ると『買った方が得』と言われています。
こちらのサイトでは、主要70都市のPrice to Rent Racioが見ることができます。
最も高いカリフォルニア州サンホセで32.9、最も低いペンシルベニア州ピッツバーグで9.4という数字が出ています。
この表によると、全米平均でも、14以上の数字であり、一般的には賃貸の方が得ということです。
しかし、もちろん同じ都市の中でもエリアによって、数字は変わってきますし、自分の住みたいエリアに絞って計算してみることをおすすめします。
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Rent vs Buy計算機とは?
もうひとつの考え方として、Rent vs Buy計算機を使うという手があります。
この計算機では、
- 住んでいる都市
- 検討中の物件価格や予算
- 賃貸した場合の予算
等を入力することで、自動的にどちらが得かを計算してくれます。
今回はZillowの計算機の使い方を紹介します。
尚、Zillowを使った賃貸物件の探し方が知りたい方は、こちらもどうぞ。
Rent vs Buy計算機の使い方
今ホットなテキサス州ダラスでのシミュレーション例です。
各種条件を入れ込むだけで、自動的に計算されます。

この場合、『今購入した家に4年7か月以上住むと、賃貸よりも得』ということが言えます。
つまり、
- 今の仕事を4年7か月以上ダラスで続けるつもりだ
- 子供の学校が終わるまで、4年7か月以上ダラスにいるつもりだ
という方は、今買った方がいいかもしれません。
一方で、
- 今後、ほかの都市へ転勤の可能性がある
- 他の地域へ子供を通学させたい
というような方は賃貸にしておいた方がいいかもしれませんね。
まとめ
本記事では、賃貸にするか・持ち家にするかという疑問に対して、データを用いて考えてみるという、アプローチについて解説してきました。
- Price to Rent Racioの計算方法・読み方
- Rent vs Own 計算機の使い方
もちろん、広い家に住みたいとか、身軽にいたい、というような感情的な部分も考慮して、決定する必要もあると思いますので、一つの考え方として皆さんの理解の一助になれば幸いです。
次回の記事では、賃貸のメリット・デメリットについて解説してみたいと思います。
続く